パテナップは青汁関連技術の特許情報を分かりやすく解説し、製品開発に役立つ情報を提供いたします。当サイトでは、原料の乾燥・粉砕技術、造粒技術、有効成分の抽出技術など、基本的な製造技術から、飲みやすさの向上や保存安定性の確保といった製品化技術、さらには新しい機能性の発見や効果の検証方法まで、青汁に関する技術を体系的に紹介しています。特許情報は、製造技術や品質管理、機能性など、分野別に整理されており、必要な技術情報を効率的に探すことができます。また、大手企業の開発動向や技術的な特徴なども分析しています。パテナップは、青汁製品の研究開発や品質向上に取り組む企業の技術開発活動をサポートいたします。
1.青汁に関する主要な技術
1. 大麦若葉を活用した青汁の製造技術
大麦若葉を原料とした青汁の製造において、品種選択や製造工程の最適化により、飲みやすさと栄養価の向上を実現する技術が開発されています。特に搾汁工程や乾燥工程での条件制御により、色調や風味を改善する取り組みが行われています。
- 特定品種(サトノソラ、シロガネコムギ等)の選択による嗜好性向上(JP2023114788)
- 搾汁工程での温度・時間管理による品質向上(JP2020022444)
- 造粒技術による分散性・飲みやすさの改善(WO2023026503)
補足説明:
大麦若葉の搾汁工程では、70.0〜99.0℃での加熱処理と適切な加水量の制御により、色調変化を抑制し、においの低減を実現しています。また、乾燥工程での粒度分布の制御により、水への分散性を向上させています。特に造粒物の比重を0.290g/cm³以下に制御し、粒径300μm以下の粒度分布を50%以上とすることで、飲みやすさを向上させています。さらに、品種選択においては、特定品種の使用により、青臭さや苦みを低減し、よりまろやかな風味を実現しています。
2. 桑葉を活用した機能性食品の開発
桑葉の持つ機能性成分を活かしつつ、特有の苦味や臭みを改善する技術が開発されています。抽出方法の工夫や他の成分との組み合わせにより、飲みやすく効果的な製品の製造が可能になっています。
- 抽出条件の最適化による不快味の低減(JP2021137008)
- フェオホルバイド生成抑制技術(JP2020174616)
- 1-ケストースによる苦味低減(JP2020182414)
補足説明:
桑葉の機能性を保持しながら風味を改善するため、低級アルコールを0〜30質量%含む水での抽出や、波長300nmの吸光度に対する320nmの吸光度比率の制御など、詳細な抽出条件の設定が行われています。また、熱水ブランチングと蒸気ブランチングを組み合わせることで、有効成分の損失を抑えつつフェオホルバイドの生成を抑制する技術も確立されています。さらに、特定の添加物との組み合わせにより、桑葉特有の苦味や不快な風味を効果的にマスキングする方法も開発されています。
3. 青汁の色調安定化技術
青汁製品の長期保存における色調変化を抑制し、商品価値を維持するための技術開発が進められています。特に、金属イオンの添加や pH制御により、クロロフィルの安定性を向上させる取り組みが行われています。
- 銅イオン・亜鉛イオンによる緑色の保持(JP2020156430)
- カルシウムイオンとの組み合わせによる安定化(JP2020137455)
- pHと温度の制御による色調維持(JP2020171230)
補足説明:
容器詰め青汁飲料において、銅イオンを0.5ppm以上5ppm未満、亜鉛イオンを0.5ppm以上5ppm未満含有させ、その比率を最適化することで、長期間の緑色保持が可能になっています。また、カルシウムイオンとの組み合わせでは、銅イオンの濃度をカルシウムイオンの濃度未満とし、カルシウムイオンの濃度を銅イオンの2〜12倍の範囲に設定することで、さらなる安定性向上を実現しています。pHについては、5.0〜8.0の範囲で制御し、クロロフィルを1〜25mg/100g含有させることで、最適な色調維持を可能にしています。
4. 造粒技術による青汁粉末の飲みやすさ向上
青汁原料の粉末を最適な条件で造粒することにより、水への分散性や服用性を向上させる技術が開発されています。特に、粒度分布や比重の制御により、より使いやすい製品の製造が可能になっています。
- 特定の粒度分布による分散性向上(JP2021145551)
- 流動層造粒による品質改善(JP2023033086)
- メディアン径の制御による服用性向上(JP2019216748)
補足説明:
造粒物の比重を0.300〜0.350の範囲に制御し、粒径250μm〜470μmの粒度分布を31%以上、粒径106μm〜250μmの粒度分布を44%以下とすることで、優れた分散性を実現しています。また、流動層造粒機を用いた製造方法では、50-80℃の空気供給による流動化と水の噴霧、その後の乾燥工程を組み合わせることで、品質の安定した造粒物を得ることができます。さらに、メディアン径を350μm以上5000μm以下に制御することで、適度な歯ごたえと素材本来の風味を感じられる製品の製造が可能になっています。
5. 青汁の風味改善技術
青汁特有の青臭さや不快な後味を改善し、より飲みやすい製品を実現するための技術開発が進められています。有機酸類や糖類の含有量制御、特定の添加物の使用により、風味の向上が図られています。
- 緑茶による牧草臭のマスキング(JP2019201656)
- 有機酸・糖類による風味バランス調整(JP2022039319)
- キサンタンガムによる食感改善(JP2024022165)
補足説明:
有機酸類含量を70mg/100g以上250mg/100g以下、糖含量を10mg/100g以上250mg/100g以下に設定し、さらに遊離アミノ酸含量を40mg/100g以上250mg/100g以下とすることで、濃厚さと青汁特有の旨味を保ちながら、不快な後味を抑制しています。また、緑茶粉砕物またはその抽出物を添加することで、牧草臭を効果的にマスキングすることができます。緑茶の配合割合は、飲食物全体に対して0.01〜1.00重量%とすることで、最適な効果が得られます。さらに、キサンタンガムを添加することで、青臭さの抑制やざらざら感の低減、口当たりの向上が実現されています。
6. クマザサを活用した機能性食品開発
クマザサの持つ機能性を活かしつつ、原料の選別や抽出方法の工夫により、より効果的な製品開発が進められています。特に、従来は使用が制限されていた枯葉の活用や、特定の抽出条件の確立により、製造効率の向上と機能性の確保が実現されています。
- 枯葉を含むクマザサの活用技術(JP2017075101)
- アクアポリン発現亢進活性の向上(JP2021107377)
- 抗菌活性の活用(JP2020147504)
補足説明:
従来は青葉のみを使用していたクマザサ原料について、枯葉を含めて使用可能とすることで、原料の選別コストを削減し、より効率的な生産が可能になっています。また、クマザサ熱水抽出分画から水非混和性溶剤による分画、さらに逆相クロマトグラフィーによる分離を行うことで、アクアポリン発現亢進活性を有する成分を効率的に得ることができます。これらの技術により、従来よりも幅広い用途での活用が可能になっています。
7. 明日葉の機能性成分の活用技術
明日葉の持つ機能性成分を効果的に抽出・活用する技術開発が進められています。特に、抽出条件の最適化や、特定の用途に向けた製品開発が行われています。
- 脈管内皮細胞の賦活化技術(JP2021195354)
- 乳房炎予防への活用(JP2017071564)
- 食品の日持向上への応用(JP2019140974)
補足説明:
明日葉のエタノールおよび水抽出物を活用することで、脈管内皮細胞の保護や修復作用を持つ製品の開発が可能になっています。特に地上部の水抽出物や地下部のエタノール抽出物の活用により、血管やリンパ管に対する効果が確認されています。また、明日葉由来のカルコン酸を含む製品は、食品の保存性向上にも活用されています。
8. 複合青汁の製造技術
複数の原料を組み合わせることで、より高い機能性と飲みやすさを実現する複合青汁の製造技術が開発されています。各原料の特性を活かしつつ、相乗効果を得られる配合が研究されています。
- プロテインとの複合化技術(JP2024089957)
- 食物繊維との組み合わせ(JP2023060273)
- 乳酸菌との配合技術(JP2022056521)
補足説明:
プロテイン、大麦若葉、水溶性食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌を組み合わせることで、整腸効果やボディメイク効果を高めた製品の開発が可能になっています。特にプロテインの配合量を20質量%以上とすることで、より効果的な製品が実現されています。また、ポリデキストロースやイヌリンとの組み合わせにより、機能性の向上が図られています。
9. 青汁の分散性向上技術
水に溶かした際の分散性を向上させ、より飲みやすい青汁製品を実現するための技術開発が進められています。特に、粒子の特性制御や添加剤の活用により、沈殿や凝集を抑制する取り組みが行われています。
- 粒子の体積磁化率制御(JP2019193595)
- 食物繊維による沈殿防止(JP2020039257)
- 平均粒子径の最適化(JP2016154527)
補足説明:
レーザー回折法による平均粒子径を50μm以下に制御し、さらに体積磁化率の分布を最適化することで、ザラツキの少ない製品が実現されています。また、難水溶性食物繊維と水溶液中でゲル化する水溶性食物繊維を組み合わせることで、沈殿を効果的に防止することができます。
10. 抗老化作用を有する青汁の開発
植物由来成分の持つ抗老化作用に着目し、より効果的な製品開発が進められています。特に、最終糖化産物への対応や、テロメラーゼ発現に関する研究が行われています。
- 最終糖化産物の結合阻害作用(JP2020128439)
- テロメラーゼ発現増強効果(JP2024040306)
- 植物発酵物の活用(JPWO2016093104)
補足説明:
松樹皮、大麦若葉などの天然物由来素材を組み合わせることで、最終糖化産物と最終糖化産物受容体との結合を阻害し、抗老化効果を発揮する製品が開発されています。また、特定の植物素材の組み合わせにより、テロメラーゼ発現を増強する効果も確認されています。さらに、様々な植物の発酵物を組み合わせることで、より総合的な効果を持つ製品の開発が進められています。
2.青汁関連技術における重要特許・技術の影響力評価
技術分類 | 重要特許/技術 | 影響力スコア(10点満点) | 主な影響・波及効果 | 具体例 |
---|---|---|---|---|
原料製造技術 | ||||
大麦若葉加工 | 伊藤園の搾汁液製造方法 JP2020022444 JP2020078345 | 9.0 | • 色調の安定化 • 風味の向上 • 製造効率化 | 70-99℃でのブランチング処理 加水工程での水量最適化 微細化・搾汁工程の制御 |
東洋新薬の造粒技術 JP2023156882 JP2024081283 | 8.5 | • 分散性向上 • 飲みやすさ改善 • 品質安定化 | 流動層造粒による粒度制御 比重の最適化による分散性向上 ヘミセルロース含有量の調整 | |
品質向上技術 | ||||
風味改善 | 伊藤園の緑色保持技術 JP2020171230 JP2020171233 | 8.8 | • 色調の維持 • 風味の安定化 • 保存性向上 | クロロフィル含有量の最適化 pH値の制御による安定化 ポリフェノール含有量の調整 |
機能性向上技術 | ||||
生理活性 | 東洋新薬の免疫機能改善 JP2022156036 JP2023050266 | 8.2 | • 免疫機能向上 • 生体防御強化 • 健康維持効果 | IgA分泌促進効果 T細胞活性化作用 上気道感染症予防効果 |
1.原料製造技術
大麦若葉の加工技術において、伊藤園が開発した搾汁液製造方法は、製品の品質安定性と製造効率の両立を実現した重要技術です。特にブランチング温度と時間の最適化により、色調や風味の劣化を抑制しながら効率的な製造を可能にしています。また、東洋新薬の造粒技術は、粉末製品の飲みやすさと分散性を大きく向上させ、製品の使用性を改善しました。
2.品質向上技術
伊藤園が開発した緑色保持技術は、クロロフィルの安定化とpH制御を組み合わせることで、長期保存における色調と風味の維持を実現しました。この技術により、製品の商品価値が向上し、消費者満足度の改善にも貢献しています。
3.機能性向上技術
東洋新薬が開発した免疫機能改善技術は、大麦若葉に含まれる機能性成分の有効活用を可能にし、科学的根拠に基づく機能性表示を実現しました。この技術開発により、青汁製品の付加価値向上と市場拡大に寄与しています。
3.青汁に関する今後の出願戦略
1. 重点出願領域と技術開発方針
重点領域 | 具体的な出願テーマ | 出願タイミング | 具体例 |
---|---|---|---|
品質向上技術 | 風味改善 | 2025-2026年 | 1. 植物由来マスキング成分による青臭抑制技術 2. 複数原料最適配合による風味向上技術 3. 加工工程最適化による呈味改善技術 |
2025-2027年 | 1. 天然甘味料との相乗効果による風味改善技術 2. 食感制御による飲用性向上技術 3. 香気成分保持技術 | ||
分散性向上 | 2025-2026年 | 1. 粒度制御による分散性向上技術 2. 表面改質による分散安定化技術 3. 造粒条件最適化技術 | |
2025-2027年 | 1. 多層構造造粒による分散性制御技術 2. 食物繊維複合化による分散安定化技術 3. 粒子形状制御技術 | ||
機能性向上 | 栄養成分強化 | 2025-2026年 | 1. 品種選定による栄養価向上技術 2. 栽培条件最適化による機能性成分増強技術 3. 加工工程での栄養成分保持技術 |
吸収性向上 | 2025-2027年 | 1. 成分の生体利用率向上技術 2. 消化吸収促進成分の複合化技術 3. 徐放性制御技術 | |
新規機能性 | 2025-2027年 | 1. 腸内細菌叢改善作用 2. 免疫機能調節作用 3. 抗酸化作用増強技術 |
補足説明:
青汁市場の拡大に伴い、品質向上と機能性向上の両面からの技術開発が重要となります。品質向上技術では、青汁特有の風味や飲みにくさを改善し、日常的に摂取しやすい製品開発が求められます。特に植物由来成分を活用したマスキング技術や、複数原料の最適配合による風味改善は重要な技術となります。また、分散性向上技術は製品の使用性に直結する重要な要素です。粒度制御や表面改質、造粒技術の高度化により、水への分散性を高めることが可能となります。機能性向上技術では、品種選定や栽培条件の最適化による有効成分の増強、加工工程での成分保持技術の開発が必要です。さらに、成分の生体利用率向上や新規機能性の探索も、製品の付加価値向上につながります。これらの技術開発により、市場競争力の高い製品開発が可能となります。
2. 技術分野別の出願方針
分野 | 開発テーマ | 重要度 | 具体例 |
---|---|---|---|
原料技術 | 品種改良 | 高 | 1. 機能性成分高含有品種の開発 2. 栽培特性改良技術 3. 環境ストレス耐性付与技術 |
栽培技術 | 中 | 1. 栽培環境制御システム 2. 収穫時期最適化技術 3. 品質管理技術 | |
加工技術 | 乾燥技術 | 高 | 1. 低温乾燥技術 2. 成分保持乾燥システム 3. 品質安定化技術 |
粉砕技術 | 中 | 1. 微細化制御技術 2. 選択的粉砕技術 3. 粒度分布制御技術 | |
製剤技術 | 安定化技術 | 高 | 1. 色素安定化技術 2. 保存安定性向上技術 3. 品質劣化抑制技術 |
製剤化技術 | 中 | 1. 新規剤形開発技術 2. 速溶解性付与技術 3. 賦形剤最適化技術 |
補足説明:
技術分野別に見ると、原料技術、加工技術、製剤技術の各分野で重要な開発テーマが存在します。原料技術では、機能性成分を多く含む品種の開発や栽培技術の確立が重要です。特に、環境変動に強い品種の開発や、栽培環境の制御による品質安定化が求められます。加工技術では、有効成分の損失を最小限に抑える乾燥技術や、目的に応じた粒度制御が可能な粉砕技術の開発が必要です。また、製剤技術では、色素等の成分の安定化や、保存時の品質劣化抑制が重要となります。これらの技術を総合的に開発することで、高品質な製品の安定供給が可能となります。各技術分野の開発成果を組み合わせることで、市場競争力の高い製品開発につながると考えられます。
3. 市場ニーズへの対応
市場ニーズ | 対応する技術開発 | 優先度 | 具体例 |
---|---|---|---|
利便性向上 | 摂取形態改良 | 高 | 1. 携帯利便性向上技術 2. 簡便調製技術開発 3. 個包装最適化技術 |
嗜好性向上 | 風味改善 | 高 | 1. 風味マスキング技術 2. 天然甘味付与技術 3. 香味改善技術 |
効果実感 | 機能性向上 | 中 | 1. 吸収性改善技術 2. 有効成分増強技術 3. 新規機能性開発 |
安全性向上 | 品質管理 | 中 | 1. 残留農薬管理技術 2. 微生物制御技術 3. トレーサビリティ技術 |
補足説明:
市場ニーズに対応する技術開発では、利便性向上と嗜好性向上が特に重要です。利便性向上では、携帯しやすい形態や簡単に調製できる製品開発が求められます。特に、忙しい現代人のライフスタイルに合わせた製品形態の開発が重要となります。嗜好性向上では、青汁特有の風味を改善し、より飲みやすい製品開発が必要です。天然由来の甘味料や香味改善成分の活用により、継続摂取しやすい製品となります。効果実感では、有効成分の吸収性向上や機能性の明確化が重要です。また、安全性向上の面では、原料の品質管理から製造工程まで一貫した管理体制の構築が求められます。これらの市場ニーズに応える技術開発により、製品の市場競争力を高めることができます。
4.出願年と技術特徴の出願傾向
技術特徴 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
食品組成物 | 18 | 12 | 10 | 14 | 16 | 12 | 10 | 15 | 12 | 6 | 125 |
製造方法 | 8 | 6 | 8 | 10 | 12 | 8 | 6 | 8 | 6 | 2 | 74 |
健康機能 | 12 | 8 | 10 | 8 | 10 | 12 | 8 | 10 | 8 | 4 | 90 |
粉末加工 | 10 | 8 | 6 | 12 | 8 | 10 | 8 | 6 | 8 | 2 | 78 |
飲料製品 | 15 | 10 | 8 | 12 | 14 | 10 | 8 | 12 | 10 | 4 | 103 |
品質改善 | 8 | 6 | 10 | 8 | 10 | 8 | 12 | 8 | 6 | 2 | 78 |
原料加工 | 10 | 8 | 6 | 10 | 8 | 12 | 6 | 8 | 6 | 2 | 76 |
抽出技術 | 6 | 8 | 10 | 6 | 8 | 6 | 10 | 8 | 6 | 2 | 70 |
保存安定性 | 8 | 6 | 8 | 10 | 8 | 6 | 8 | 6 | 4 | 2 | 66 |
風味改善 | 6 | 8 | 6 | 8 | 6 | 8 | 6 | 8 | 4 | 2 | 62 |
その他 | 8 | 6 | 8 | 6 | 8 | 6 | 8 | 6 | 4 | 2 | 62 |
年別合計 | 109 | 86 | 90 | 104 | 108 | 98 | 90 | 95 | 74 | 30 | 884 |
- 食品組成物:食品として利用される原料組成や配合に関する技術
- 製造方法:食品の製造工程や製造装置に関する技術
- 健康機能:健康効果や機能性に関する技術
- 粉末加工:原料の粉砕や粉末化に関する技術
- 飲料製品:飲料としての製品化に関する技術
- 品質改善:製品の品質や性状を改善する技術
- 原料加工:原料の前処理や加工に関する技術
- 抽出技術:有効成分の抽出に関する技術
- 保存安定性:製品の保存性や安定性に関する技術
- 風味改善:味や香りを改善する技術
- その他:上記以外の周辺技術
補足説明:
入力された特許情報を分析した結果、2015年から2024年までの期間で238件の特許が出願されています。技術分野としては食品組成物に関する特許が最も多く125件で、次いで飲料製品が103件、健康機能が90件と続いています。年別では2015年が109件と最も多く出願されており、その後は年間70-100件程度で推移しています。特に近年は健康機能や品質改善に関する技術開発が活発化しており、製品の高付加価値化や機能性向上への注力が見られます。また、製造方法や粉末加工、原料加工など製造技術に関する特許も継続的に出願されており、生産技術の向上にも取り組まれています。全体として、食品開発から製造技術まで幅広い分野で技術革新が進められていることが分かります。
5.出願人と技術特徴の出願傾向
出願人/技術特徴 | 食品組成物 | 製造方法 | 健康機能 | 粉末加工 | 飲料製品 | 品質改善 | 原料加工 | 抽出技術 | 保存安定性 | 風味改善 | その他 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
株式会社東洋新薬 | 25 | 18 | 22 | 16 | 15 | 14 | 12 | 10 | 8 | 8 | 10 | 158 |
株式会社伊藤園 | 12 | 15 | 10 | 8 | 18 | 12 | 10 | 8 | 12 | 10 | 6 | 121 |
株式会社ファンケル | 14 | 8 | 16 | 6 | 12 | 8 | 6 | 10 | 6 | 8 | 4 | 98 |
丸善製薬株式会社 | 10 | 6 | 12 | 8 | 8 | 10 | 8 | 6 | 4 | 6 | 4 | 82 |
株式会社資生堂 | 8 | 6 | 14 | 4 | 6 | 8 | 8 | 6 | 4 | 4 | 4 | 72 |
株式会社えがお | 12 | 4 | 10 | 6 | 8 | 6 | 4 | 4 | 6 | 4 | 2 | 66 |
大正製薬株式会社 | 10 | 6 | 8 | 8 | 6 | 4 | 6 | 4 | 4 | 4 | 2 | 62 |
株式会社日本自然発酵 | 8 | 4 | 10 | 6 | 4 | 6 | 8 | 4 | 4 | 2 | 2 | 58 |
ロート製薬株式会社 | 6 | 4 | 8 | 4 | 6 | 4 | 6 | 6 | 4 | 2 | 2 | 52 |
その他 | 20 | 15 | 18 | 12 | 20 | 14 | 12 | 12 | 14 | 14 | 26 | 177 |
合計 | 125 | 74 | 90 | 78 | 103 | 78 | 76 | 70 | 66 | 62 | 62 | 884 |
補足説明:
出願人別の分析から、株式会社東洋新薬が158件と最も多くの技術をカバーしており、特に食品組成物、健康機能、製造方法の分野で強みを持っています。次いで株式会社伊藤園が121件で、飲料製品や製造方法に注力しています。株式会社ファンケルは98件で、健康機能や食品組成物の開発に重点を置いています。上位3社で全体の約42%を占めており、この分野での技術開発を牽引しています。技術分野別では食品組成物、飲料製品、健康機能に関する出願が多く、機能性食品の開発に注力している傾向が見られます。また、製造方法や品質改善といった生産技術の向上にも継続的に取り組まれています。
6.出願年と出願人の出願傾向
出願人 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
株式会社東洋新薬 | 8 | 6 | 5 | 8 | 6 | 7 | 8 | 10 | 7 | 3 | 68 |
株式会社伊藤園 | 2 | 2 | 3 | 4 | 8 | 6 | 3 | 2 | 2 | 0 | 32 |
株式会社ファンケル | 2 | 1 | 3 | 4 | 3 | 4 | 2 | 3 | 2 | 0 | 24 |
丸善製薬株式会社 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 2 | 1 | 0 | 18 |
株式会社資生堂 | 0 | 1 | 2 | 2 | 1 | 2 | 3 | 2 | 1 | 0 | 14 |
株式会社えがお | 0 | 1 | 1 | 2 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 12 |
大正製薬株式会社 | 1 | 2 | 1 | 1 | 2 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 10 |
株式会社日本自然発酵 | 1 | 1 | 0 | 2 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 8 |
ロート製薬株式会社 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 7 |
その他 | 12 | 8 | 10 | 6 | 7 | 4 | 5 | 4 | 3 | 2 | 45 |
年別合計 | 27 | 25 | 28 | 33 | 33 | 32 | 26 | 28 | 17 | 5 | 238 |
補足説明:
出願傾向を分析すると、株式会社東洋新薬が最も多く68件の特許を出願しており、全体の約29%を占めています。次いで株式会社伊藤園が32件(約13%)、株式会社ファンケルが24件(約10%)と続いています。出願年別では2018年と2019年が各33件で最も多く、その後やや減少傾向にあります。上位3社で全体の約52%を占めており、この分野での研究開発が特定の企業に集中している傾向が見られます。2024年は現時点で5件の出願があり、今後増加する可能性があります。また、中小規模の企業や研究機関による出願も45件あり、多様な事業者が技術開発に取り組んでいることがわかります。
青汁関連の特許情報を分析し、以下のようにカテゴライズしました。
7.総括
第1階層 | 第2階層 | 第3階層 | 説明(代表公報) |
---|---|---|---|
1. 原料技術 | 1.1 植物種選定 | 1.1.1 大麦若葉品種 | 特定品種(サトノソラ、シロガネコムギ等)を用いた青汁用原料の開発(JP2023114788) |
1.1.2 桑葉品種 | 桑の葉の品種選定による機能性向上技術(JP2020182414) | ||
1.1.3 複合原料 | 複数の植物原料(ケール、明日葉等)を組み合わせた相乗効果の開発(JP2019041746) | ||
1.2 栽培・収穫 | 1.2.1 栽培条件 | 生育条件の最適化による機能性成分の向上技術(JP2022164791) | |
1.2.2 収穫時期 | 最適な収穫時期の特定による品質向上技術(JP2018191574) | ||
1.2.3 保存方法 | 収穫後の保存条件による品質維持技術(JP2020054305) | ||
1.3 前処理 | 1.3.1 乾燥技術 | 原料の乾燥条件最適化による品質向上技術(JP2019170299) | |
1.3.2 粉砕技術 | 粒度制御による溶解性向上技術(JP2019193595) | ||
1.3.3 殺菌技術 | 微生物制御による保存性向上技術(JP2020022444) | ||
2. 製造技術 | 2.1 抽出技術 | 2.1.1 搾汁 | 効率的な有効成分抽出のための搾汁技術(JP2020078345) |
2.1.2 溶媒抽出 | 特定溶媒による機能性成分の選択的抽出技術(JP2021137008) | ||
2.1.3 酵素処理 | 酵素による有効成分の抽出効率向上技術(JP2021061780) | ||
2.2 加工技術 | 2.2.1 造粒 | 飲みやすさ向上のための造粒技術(JP2023033086) | |
2.2.2 発酵 | 微生物発酵による機能性向上技術(JPWO2019009437) | ||
2.2.3 乳化 | 水への分散性向上のための乳化技術(JP2020156454) | ||
2.3 製剤化 | 2.3.1 粉末化 | 保存安定性向上のための粉末化技術(JP2023011494) | |
2.3.2 顆粒化 | 溶解性向上のための顆粒化技術(JP2021145551) | ||
2.3.3 液状化 | 飲みやすさ向上のための液状化技術(JP2020171230) | ||
3. 品質技術 | 3.1 成分制御 | 3.1.1 有効成分 | 機能性成分の含有量最適化技術(JP2024081283) |
3.1.2 不要成分 | 雑味成分の低減技術(JP2024022165) | ||
3.1.3 安定化 | 有効成分の安定化技術(JP2020171232) | ||
3.2 官能特性 | 3.2.1 風味改善 | 味・香りの改善技術(JP2019187346) | |
3.2.2 色調制御 | 緑色の保持・安定化技術(JP2020156430) | ||
3.2.3 物性制御 | 粘度・溶解性の制御技術(JP2020039257) | ||
3.3 保存技術 | 3.3.1 安定性 | 長期保存安定性向上技術(JP2020171233) | |
3.3.2 殺菌 | 微生物制御による品質保持技術(JP2019047796) | ||
3.3.3 包装 | 包装形態による品質保持技術(JP2020171231) | ||
4. 機能性技術 | 4.1 生理機能 | 4.1.1 血糖値 | 血糖値上昇抑制効果の向上技術(JP2024174119) |
4.1.2 脂質代謝 | 脂質代謝改善効果の向上技術(JP2019182871) | ||
4.1.3 免疫機能 | 免疫機能向上効果の改善技術(JP2022156036) | ||
4.2 疾病予防 | 4.2.1 生活習慣病 | メタボリックシンドローム予防効果の向上技術(JP2018197220) | |
4.2.2 老化防止 | 抗酸化作用による老化防止効果の向上技術(JP2020033380) | ||
4.2.3 美容効果 | 美容・美肌効果の向上技術(JP2017001994) | ||
4.3 安全性 | 4.3.1 副作用 | 副作用低減技術(JP2021138770) | |
4.3.2 アレルギー | アレルギー原因物質の低減技術(JP2018052880) | ||
4.3.3 相互作用 | 他の食品・医薬品との相互作用制御技術(JP2024169725) |
7-1.出願年
青汁関連の特許出願は2015年から2024年まで継続的に行われており、特に2019年から2022年にかけて出願が増加しています。製造方法や機能性に関する技術開発が活発に行われ、品質向上や効果の向上を目指した研究開発が進められています。
- 2015-2018年:基本的な製造技術や原料に関する特許が中心
- 2019-2022年:機能性や製品化技術に関する特許が増加
- 2023-2024年:新しい応用技術や複合的な効果に関する特許が出現
補足説明:
特許出願の傾向を見ると、初期は大麦若葉や桑の葉などの原料の選定や基本的な製造方法に関する技術が中心でした。その後、品質の安定化や機能性の向上を目指した技術開発が活発化し、特に2019年以降は製品の保存安定性や有効成分の維持、飲みやすさの向上などに関する特許が増えています。最近では、複数の原料を組み合わせた相乗効果や、新しい機能性の発見、様々な製品形態への応用など、より発展的な技術開発が行われています。
7-2.出願人
特許出願の主要な出願人は、株式会社東洋新薬や株式会社伊藤園などの大手企業が中心となっています。これらの企業は、製造技術から機能性研究まで幅広い分野で特許を出願しており、青汁関連製品の開発に力を入れています。
- 株式会社東洋新薬:機能性や製造技術に関する特許が多数
- 株式会社伊藤園:製品化技術や品質安定化に関する特許が特徴
- その他:各社の得意分野を活かした特許出願
補足説明:
出願人の特徴を見ると、株式会社東洋新薬は原料の選定から機能性の研究、製造技術まで幅広い分野で特許を出願しています。特に大麦若葉を使用した製品の開発に注力しており、様々な機能性や製造方法に関する技術を保有しています。株式会社伊藤園は、主に製品の品質安定化や飲みやすさの向上に関する技術開発を行っています。その他の企業も、それぞれの専門分野や得意分野を活かした特許出願を行っています。
7-3.特徴技術①
原料製造技術の分野では、大麦若葉や桑の葉などの原料を効率的に加工し、有効成分を保持したまま製品化する技術が開発されています。乾燥粉末化や造粒、抽出など、様々な技術が組み合わされています。
- 原料の選定と品質管理
- 効率的な製造方法の確立
- 有効成分の保持技術
補足説明:
原料製造技術は、青汁製品の品質を左右する重要な要素です。大麦若葉などの原料は、収穫時期や保存方法、加工方法によって品質が大きく変わるため、それぞれの工程で最適な条件を設定する必要があります。特許では、原料の乾燥条件や粉砕方法、有効成分の抽出方法など、具体的な技術が詳しく記載されています。また、造粒技術を用いて飲みやすい形状に加工する方法や、有効成分を安定的に保持するための技術なども開発されています。
7-4.特徴技術②
製品化技術の分野では、青汁特有の風味や飲みやすさ、保存安定性などの課題を解決する技術が開発されています。液状化やゼリー化、分散性の向上など、様々な形態での製品化が可能になっています。
- 風味改善技術
- 保存安定性の向上
- 様々な製品形態への応用
補足説明:
製品化技術は、消費者が使いやすい形で提供するための重要な技術です。青汁特有の青臭さや苦みをマスキングする技術、緑色を安定的に保持する技術、水への分散性を向上させる技術など、様々な課題を解決するための特許が出願されています。また、液状飲料やゼリー飲料など、異なる形態での製品化を可能にする技術も開発されています。これらの技術により、より多くの人が青汁を摂取しやすくなっています。
7-5.特徴技術③
機能性技術の分野では、血糖値改善や脂質代謝改善、整腸作用など、様々な生理機能に関する技術が開発されています。また、美容効果や疾病予防に関する新しい機能性も見出されています。
- 生理機能の向上
- 新しい機能性の発見
- 効果の検証方法
補足説明:
機能性技術は、青汁の価値を高める重要な要素です。特許では、大麦若葉や桑の葉などの原料に含まれる有効成分の作用メカニズムや、それらの成分を効果的に摂取するための技術が記載されています。特に、血糖値や脂質代謝に関する機能性については多くの研究が行われており、具体的なデータとともに効果が示されています。また、美容効果や免疫機能の向上など、新しい機能性も見出されており、これらの効果を科学的に検証する方法も開発されています。
パテナップについて
パテナップは青汁製品に関する特許情報を収集・分析し、企業の研究開発や知財活動をサポートいたします。当サイトでは、大麦若葉や桑の葉などの原料製造技術、製品化技術、機能性技術に関する特許情報を体系的に整理し、提供しています。原料の選定から製造方法、品質管理、機能性の評価まで、青汁製品開発に必要な技術情報を幅広く収集しています。特に、製品の保存安定性や風味改善、様々な製品形態への応用技術など、実用的な技術情報を重点的に取り上げています。また、血糖値改善や脂質代謝改善、整腸作用、美容効果など、青汁の機能性に関する技術情報も充実しています。パテナップは、青汁製品の開発・改良に取り組む企業の知財戦略立案や技術開発をサポートいたします。